羊はうんざりしながら通りを歩いていた。一人ぼっちで溜息をついた。
その時、聞き覚えのあるような声に顔を上げると、緑色の鳥が鳴いていた。
そして緑色の鳥がくるくると空高く飛び上がると、
自分の頭の上の空を大きく63回転回って上空に消えていった。
羊は言葉を失い手を伸ばして空を仰ぐのだった。今夜も眠れないだろう。
象は少し離れたところで羊のその姿と緑色の鳥を見ていた。
その緑色の小鳥はどこかで見覚えがあった。
象はなんとなく羊が兄さんのことを思い出していると直感した。
象にもその緑色の鳥が頭の上を飛んでいたことがある。
それはとても複雑で悲しい気持ちになった。
犬は空の彼方に緑色の鳥が飛んでいるのを窓から眺め、ひとしきり考え込んだ。